こんにちは!かいごどうです。
介護の現場や福祉用具の仕事を長く続けていると、思いがけない出来事に遭遇することがあります。
今回は、福祉用具の納品中に経験した、ちょっと緊張感のあるお話です。
「何かおかしい……」
そのとき感じた違和感が、今でも印象に残っています。
いつもどおりの福祉用具の納品……のはずだった
ある日、ケアマネジャーさんから新規の依頼をいただきました。
準備するのは、特殊寝台一式、床ずれ防止用具、そして車いす。
必要な福祉用具をそろえ、利用者さんのお宅へ納品に伺いました。
ご自宅では、ご家族の方が搬入に対応してくださっていました。
福祉用具を搬入して、ベッドの設置を進めていたところ、利用者さんが別のご家族に付き添われて帰宅されました。
そのときの利用者さんは、身体を支えてもらいながら居室へ移動されていました。
ベッド本体は設置していたものの、シーツや防水シーツなどの準備がまだ終わっていません。
そこで、少しの間、車いすで待っていただくことになりました。
ここまでは、特に珍しい状況ではありませんでした。
ところが……。
「あれ? 何かおかしくないか?」
ベッドの準備を続けながら、ふと利用者さんの様子が気になりました。
身体に、ほとんど力が入っていないように見える。
それだけではありません。
顔色も良くない。
口元には、よだれも見られました。
「今日は、ずいぶん体調が悪そうだな……」
そう思い、ご家族に尋ねてみました。
「今日は、あまり体調が良くない感じですか?」
すると、
「実は少し熱があって、それで病院に行ってきたんです」
とのこと。
なるほど、発熱があって受診されていたのか。
それなら、しんどそうなのも分かる気がする。
……でも。
やっぱり、何かおかしい。
そう感じたんです。
もう一度、ご家族に確認してみた
気になったので、もう一度尋ねました。
「いつも、こんな感じですか?」
ところが、ご家族も常に一緒に生活されているわけではなかったため、普段との違いについては判断しにくい様子でした。
私自身も、以前から利用者さんをよく知っていたわけではありません。
つまり、その方の普段の状態は十分に分からない。
それでも、目の前の様子を見ていると、どうにも気になるんです。
身体の力の入り方。
顔色。
反応。
そして、口元の様子。
何が原因なのかは分からない。でも、このまま様子を見ていていいのだろうか?
そんな思いが強くなっていきました。
ケアマネジャーさんに連絡
私はいったん席を外して、担当ケアマネジャーさんに電話しました。
利用者さんの状態を説明し、
「ちょっと様子がおかしいんです。救急車を呼んだ方がいいかもしれません」
と伝えました。
すると、ケアマネジャーさんもすぐに駆けつけてくれることになりました。
その間、当時はご家族とともに、利用者さんを車いすからベッドへ移し、少しでも楽に過ごしていただけるように対応しました。
ほどなくしてケアマネジャーさんが到着。
実際に利用者さんの様子を確認すると、
「やっぱり、ちょっとおかしいね」
という話になりました。
そして、救急車を要請することに。
救急隊が到着し、利用者さんは病院へ搬送されていきました。
それまでの時間は、いつもの福祉用具の納品とはまったく違う、緊張感のある時間でした。
後日聞いた話に、びっくり
数日後、利用者さんのその後について話を聞く機会がありました。
どうやら、かなり血圧が下がっていたとのこと。
さらに、軽い脳梗塞も起こされていたと伺いました。
「そうだったのか……」
驚くと同時に、あのとき感じた違和感を思い出しました。
もちろん、私は医師ではありません。
その場で病気を診断できたわけでもありませんし、脳梗塞だと分かっていたわけでもありません。
ただ、目の前の利用者さんの状態を見て、
「これは普段の状態とは違うかもしれない」
と感じ、ケアマネジャーさんに相談しました。
その結果、救急搬送につながったという出来事でした。
そして、うれしい後日談
今回のお話には、うれしい続きがあります。
その後、利用者さんは退院。
デイサービスへの復帰もできたと聞きました。
そして、納品を予定していた福祉用具も、改めてレンタルを開始することになりました。
いやぁ、本当に良かった。
最初は納品するだけの予定だったのに、まさかこんな出来事になるとは……。
長く仕事をしていると、本当にいろいろなことがありますね。
介護福祉士としての経験が役に立ったのかな?
私は介護福祉士の資格を持ち、以前は介護現場で夜勤なども経験してきました。
現在は福祉用具専門相談員として働いていますが、介護現場で培った経験が役に立つ場面もあります。
利用者さんの顔色。
表情。
姿勢。
会話への反応。
いつもと違う動き。
こうした小さな変化に目を向けることは、福祉用具の選定や使用状況の確認でも大切です。
今回も、そんな経験が少しは役に立ったのかな、と思いました。
ただし、経験が長ければ必ず異変を見抜けるというわけではありません。
「自分だけで判断せず、必要な人につなぐ」ことも大切な仕事だと感じています。
【大切な補足】急な異変があったら119番を
ここは、今回の実体験とは分けてお伝えしたいことがあります。
今回、私はケアマネジャーさんに連絡してから救急要請につながりました。
しかし、現在同じような状況に遭遇した場合、ケアマネジャーさんの到着を待つことが適切とは限りません。
突然、片側の手足に力が入らなくなる、ろれつが回らなくなる、意識や反応に異常が見られるなど、脳卒中が疑われる症状があれば、すぐに119番通報が必要です。
また、顔色が明らかに悪い、急に立てなくなるといった状態も、救急対応が必要な場合があります。
無理に移動させず、安全を確保して119番の指令員の指示に従うことが重要です。
私自身、この経験から改めて考えさせられました。
福祉用具の納品よりも、まず利用者さんの安全が最優先。
これは忘れないようにしたいですね。
まとめ|福祉用具を届けるだけが仕事じゃない
福祉用具専門相談員の仕事は、商品を運んで設置するだけではありません。
利用者さんが安全に使用できるか、生活環境に合っているかを確認することも大切です。
そして、ときには利用者さんの体調や様子から、気になる変化に気づくこともあります。
今回の出来事で、私は改めて感じました。
「何かおかしい」という小さな違和感を、軽く考えないこと。
もちろん、何でも自分で解決しようとする必要はありません。
ご家族やケアマネジャー、医療職、救急隊など、必要な人たちにつないでいくことが大切です。
それにしても……。
福祉用具を納品しに行ったつもりが、昔の介護現場での経験まで持参していたようです(笑)。
いやぁ、長く介護の仕事をしていると、無駄な経験なんてないのかもしれませんね。
以上、かいごどうでした!
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こちらも、介護福祉士としての経験を振り返りながら書いた実体験です。
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※この記事は筆者の実体験をもとにしています。利用者さんやご家族が特定されないよう、個人情報や具体的な時期・場所は記載していません。会話は記憶に基づいて再構成しています。
※記事内の対応は過去の経験を紹介したもので、緊急時の標準的な対応手順を示すものではありません。

