pub-2692689168729180 手すり8本、ありがとうございます!?旧家での搬入で廃人になった福祉用具専門相談員の話 | 「家族介護に役立つ”現場経験とプロ目線”での情報発信ブログ”」

手すり8本、ありがとうございます!?旧家での搬入で廃人になった福祉用具専門相談員の話

実体験

福祉用具専門相談員の仕事をしていると、たまに「おっ!これはなかなかの案件やな!」と心の中でニンマリすることがあります。

今回のお話は、そんな私の喜びが絶望に変わった、とある手すりの搬入事件です(笑)。

舞台は、昔ながらの立派な旧家。廊下がとにかく長い!

しかも、壁に手すりを取り付けるのが難しい。

そこで置き型手すりを使って、安全な移動環境を整えることになったのですが……。

まさか自分が、あんな地獄を見ることになるとは!!

長すぎる廊下!壁付け手すりが設置できない

ある日、ご相談を受けたのは昔ながらの旧家。

利用者さんが安全に移動できるよう、手すりを設置したい。

ところが、建物の構造や設置条件を確認すると、壁付け手すりで対応するのは難しい状況でした。

「うーん、どうしたものか……」

天井と床で固定する、つっぱり型の手すりも検討しましたが、こちらも条件が合いません。

そこで選んだのが、床に置いて使用するタイプの手すりです。

利用者さんの移動経路を確認しながら、必要な場所に配置することになりました。

そして最終的に決まった本数が……。

なんと8本!!

さらに玄関の上がり框用手すりも1台追加することになりました。

210円×8本+420円!心の中でガッツポーズ

そのときの利用者負担額は、手すりが1本210円。

それが8本。

さらに玄関用手すりが420円。

210円×8本+420円=月額2,100円!

営業担当の私としては、なかなかの案件です。

心の中では、すでにガッツポーズ。

「ありがとうございますぅぅぅ!!!」

いやぁ、思わずニンマリしてしまいましたね(笑)。

ところが、世の中そんなに甘くありません。

本当の試練は、ここから始まるのでした……。

倉庫で積み込み開始!売上の喜びが吹き飛ぶ

さて、納品当日。

まずは倉庫で、手すりを車に積み込みます。

置き型手すりというのは、安定性を確保するため、ベース部分にそれなりの重量があります。

1本持った瞬間、私は思いました。

「……重っ!!」

いや、分かっていたんですよ。重いことくらい。

でも、これが8本。

さらに玄関用手すりまである。

しかも、その日は私1人での作業です。

せっせと積み込みながら、腰に嫌な予感が……。

「まだ現場に着いてもいないのに、腰がやべぇ!!」

先ほどまでの「ありがとうございます♪」という気持ちは、どこへ行ったのでしょう(笑)。

現場到着!駐車場から搬入口が遠すぎる!

ようやく積み込みを終えて、現場に到着。

あとは運んで設置するだけ!

……と思った、その瞬間。

「えっ? 駐車場、ここ!?」

なんと、駐車場から搬入口までがやたら遠い!!

「うおおおお!!マジかーーー!!」

もう、心の中では絶叫です(笑)。

でも、手すりが勝手に歩いてくれるわけではありません。

えっこら、えっこら。

1本運ぶ。駐車場に戻る。また1本運ぶ。また戻る。

これを繰り返します。

「誰かぁぁぁ!台車持ってきてくれぇぇぇ!!」

……と言いたい気持ちを抑えながら、1人で運び入れました。

8本設置完了!と思ったら玄関用が残っていた

そして、ようやく廊下の置き型手すり8本を設置。

長い廊下の移動を支えるため、配置や使いやすさ、安全性を確認します。

「よし、これで終わった!」

と思ったら……。

玄関用手すりが残っていました。

「お前もおったんかーーーい!!!」

玄関の上がり框に対応する手すりは、廊下用とは構造も違います。

段差や設置場所を確認しながら、こちらも調整します。

すべてが終わった頃には、もうヘロヘロ。

「燃え尽きた……真っ白にな……」

その日の私は、まさに廃人でした(笑)。

しかし本当の恐怖は回収時にやってくる!

ただ、福祉用具専門相談員の皆さんなら、もうお気づきかもしれません。

そうなんです。

納品した福祉用具は、いつか回収する日が来るんです。

搬入は大変でした。でも、回収を考えると、さらに気が重くなります。

設置するときは、まだ売上への期待があります。

ところが回収時は……。

8本の手すりを外す。

玄関用手すりも外す。

また、あの長い距離を運ぶ。

車に積み込む。

会社に戻る。

そして、もう一度倉庫に降ろす。

「売上の喜びはもうないのに、重さだけは健在やないかーーーい!!!」

考えただけで腰が痛くなりそうです(笑)。

置き型手すりは便利!でも設置条件の確認が重要

さて、ここまで笑い話として紹介しましたが、置き型手すりは、壁に手すりを取り付けられない住宅などで有効な選択肢になります。

ただし、どんな場所にも置けるわけではありません。

設置前には、次のような点を確認する必要があります。

  • 利用者さんの身体状況と移動能力
  • 手すりを握る位置や動作
  • 床の状態や設置スペース
  • ベースプレートによるつまずきの危険
  • 廊下の通行幅や生活動線
  • 玄関の段差や昇降方法
  • メーカーが定める設置条件

手すりは、本数が多ければよいというものではありません。

その人に必要な場所へ、安全に使える方法で設置することが大切です。

今回も、単純に商品を並べるのではなく、長い廊下での移動をどう支えるかを考えて選定しました。

まとめ|売上に笑い、重さに泣いた1日

今思い返しても、なかなか強烈な案件でした。

最初は「ありがとうございますぅぅぅ♪」とニンマリ。

倉庫では「重っ!!!」と悲鳴。

現場では「遠っ!!!」と絶望。

そして最後には「もう動けん……」と廃人になる(笑)。

それでも、利用者さんが安全に移動できる環境を整えられたことは、専門相談員として意味のある仕事だったと思います。

福祉用具専門相談員の仕事は、商品を選ぶだけではありません。

搬入して、設置して、調整して、点検して、そして最後には回収する。

そんな現場の苦労も含めて、私たちの仕事なんですよね。

というわけで、今回の教訓。

「手すり8本の案件は、売上だけじゃなく搬入経路もしっかり確認しよう!(笑)」

全国の福祉用具専門相談員の皆さん、今日も腰を大切に!

※本記事は筆者の実体験をもとにしたものです。掲載金額は当時の事例であり、現在のレンタル料金・自己負担額を示すものではありません。実際の設置では、製品の取扱説明書や利用者さんの身体状況、住環境に応じた安全確認が必要です。

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